【心を打たれる】『五感を育てるおむつなし育児』三砂ちづる【コラムとエピローグ!】

勉強ができるとかできないとか、運動ができるとかできないとか、たくさん稼げるとか稼げないとか、そういうことで人間が比べられるようになってしまう時期は遠からず来るが、せめて人生の始まりの何年かはそういうことになじまないぼんやりした時間、おっぱいと排泄だけに親が気を配っている時間が必要ではないか、そういうことではないでしょうか。

『五感を育てるおむつなし育児』三砂ちづる
『五感を育てるおむつなし育児』三砂ちづる

赤ちゃんができるだけおむつの外で、気持ちよく排泄できるようにする育児法「おむつなし育児」について書かれた本。私が心を揺さぶられたのは、本書の中ではおまけのような存在の、三砂ちづるさんの「コラム」と「エピローグ」でした。

あなたのそばにいる幼い人は、実はぼんやりと過ごせれば過ごせるほど、のちのちの「意味ある人生」を豊かにわたっていけるのかもしれない。もちろん、その幼い人に、もしや何らかの理由で「のちのちの意味ある人生」は閉ざされたとしても、幼いときに特有のぼんやりした時間を親と一緒に過ごしたこと自体が、言葉にならない豊かさとして記憶されていく。

『五感を育てるおむつなし育児』三砂ちづる

「そんなこと言ってお稽古ごとをやめさせたら、せっかく才能があったかもしれないのに、それを埋もれさせることにならないか」と心配なさるかもしれません。心配することはありません。才能とは、隠しても、隠しても、顕われるものです。どんな逆境にもさまたげられることなく、才能は顕われる。

『五感を育てるおむつなし育児』三砂ちづる

才能など、生まれ、暮らし、関係性のうちに生かされ、この世を去るのに、ほんとうはさほど必要なことではありません。私たちが生きていくのに必要なのは才能などではない。生きる意思です。才能、は、ちょっとした人生の彩りのようなものでしょう。

『五感を育てるおむつなし育児』三砂ちづる

お母さん、安心してください。あなたの子どもには、あなたの子どもの人生が待っていて、ちょっとくらいのあなたの失敗に損なわれたりはしない。顕われるべきものは、親の失敗くらいでなくなってしまったりしない。顕われるものを待っていればよい。

そしてそのような“才能”とか、意味ある人生、とか、そういうことが始まる前に、おだやかでゆったりした、「意味などない」時間が、幼い人には必要であるらしいのです。

『五感を育てるおむつなし育児』三砂ちづる

おむつなし育児はノウハウおよび手段の話、赤ちゃんと母親が楽しく本能的に暮らす、
本質的なところがつかまえられていればそれでよいのだ、と三砂さん、いや三砂先生。
巻末で、津田塾大学の教授と知りました。

読むたびに心を打たれるコラムとエピローグ、この数ページだけでもぜひ読んでみてほしいです。

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